Story
海洋地球科学部海洋底探査室
計測技術課
谷朋洋 2022年入社

Interview01現在の仕事「ちきゅう」に乗って海底から
採取した試料を研究に活かすこと

世界最高レベルと言われている掘削能力をもつ科学掘削船である地球深部探査船「ちきゅう」での業務が現在の仕事です。地層や地盤の強度などを調査するために、地中深く穴を堀り地質試料（コア）を採取することをコアリングと言います。
私の仕事は、堆積物や岩石からなるコアが海底から引き上げられた後に始まります。コアリングされた堆積物や岩石をCTスキャナで撮影したり、非破壊計測装置を使用して密度、比抵抗等様々な物性データを計測し、最終的にはコア試料を半裁・分割し研究者へお渡しします。先日は南海トラフの調査に行ってきました。
自然が相手なので、天候や海況次第で計画通りに進まないこともしばしばです。そんな時研究者と計画を練り直したり、様々なコミュニケーションを図るのですが、「自分は特殊な仕事に携わっているんだな」と実感が湧き嬉しく感じます。
余談ですが、「ちきゅう」の食事はすべてバイキング形式です。バラエティに富んだいろいろな料理があるんですよ。朝昼晩だけでなく、深夜当番の方もいるので夜中でも食事ができます。食事は航海中の楽しみの一つです。

Interview02入社動機自衛官からの転職。
人と違う仕事を
してみたかった

前職は陸上自衛隊で、通信課に所属していました。自衛官時代はいろいろな経験をさせていただきましたが、自分の本当にやりたいことを探りつつみたいなところはありました。自衛隊では２年間勤務すると、民間企業への転職をサポートしてくれるというシステムがあります。そのしくみを利用して、もっと自分にあったやりたいこととは何なのか？と考えて転職活動を始めました。
もともと自然科学が好きというのがベースにありましたので、合同企業説明会に参加した際、採用冊子に1社だけ書かれていた「海洋調査」という会社に興味を惹かれました。昔から人と違うことをしたいと思っていたので、前職も自衛官になったのですが、人と違う仕事で、さらに自然を相手にする、マリン・ワーク・ジャパンでの仕事にとても魅力を感じ応募しました。

Interview03モチベーションビッグプロジェクトに向けて
勉強の日々です

東日本大震災から10年以上経った今、滑りがあったプレート境界断層に行き、断層周辺の今の状態を確認するというプロジェクトが2024年に計画されています。現在、断層部分にどのくらいの力が蓄積されているのか、断層はどのような構造なのかなどを調査します。この調査が地震メカニズム解明の一助になるのではと思っています。このプロジェクトに参加できるのは、日本人としても凄いことだなとやりがいを感じています。
前回の航海から戻り、自分自身の専門知識が不足していることを痛感しているところでしたので、このプロジェクトを目標にして日々勉強しています。またコア試料のCTスキャンにはX線を使うため、より知識を深める必要があります。現在はX線の資格を取得するための準備を進めています。それと同時に英会話も積極的に習得しています。
「ちきゅう」には日本の研究者だけでなく、海外の研究者も乗船しているので公用語は英語なんです。日常的に英語を話さなければならないので、英語力を身に着けたいと思っています。