海底鉱物資源開発への取り組み

海底鉱物資源には、マンガン団塊(マンガンノジュール)、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、レアアース泥などがあります。
マンガン団塊は深海底に存在する直径が2~10cm程度の球形をした鉱物です。米国ハワイ沖やインド洋などの水深4,000m~6,000mの海底の堆積物に半埋没した状態で分布しています。
コバルトリッチクラストは北西太平洋域に点在する海山の水深約1,000m~2,500mの山頂部から斜面の岩石に厚さ5~20㎝程度で覆ったような形状で分布しています。
マンガン団塊やコバルトリッチクラストは、古くから海底鉱物資源として注目されてきました。マンガン団塊にはマンガン、ニッケル、銅、コバルト等の金属が、コバルトリッチクラストにはマンガン、コバルト、白金などの金属が含まれていることが分かってきました。
近年、日本の排他的経済水域内にある深海の泥質堆積物に高濃度のレアアースが含まれるレアアース泥が注目され、新しい鉱物資源としての可能性が報告されています。
当社は国内外の様々な船舶で海底地形、採泥、掘削調査に関わってきており、これらの採取から適切な試料処理、物性計測、化学分析ならびに陸上での保管・管理に係わるサービスを提供いたします。

ソリューションの特長

マンガン団塊、コバルトリッチクラストおよびレアアース泥開発に係わる業務を積極的に支援いたします。

経験豊富な海洋調査のノウハウを活用

海底や海山の山頂部・斜面に分布しているマンガン団塊(マンガンノジュール)やコバルトリッチクラストに対して、ROV(遠隔操作型無人潜水機)やAUV(自律型無人潜水ロボット)などの探査機を使った広範囲な調査で、海底面の観察や地形調査が実施されています。また、海底の泥質堆積物中にレアアース(希土類とも呼ばれるレアメタルの一種)濃集層が発見されたとの報告がされていることから、明らかになった分布範囲での賦存量調査のための試料採取や周辺海域の環境調査も実施されています。
当社はこれまで様々な海域での調査を行ってきた実績、ノウハウを活用してお客様のご要望にお応えします。

調査計画や試料採取ならびに
環境影響調査方法についてご提案

マンガン団塊(マンガンノジュール)、コバルトリッチクラストおよびレアアース泥が分布する海域や調査目的に応じ、最適な観測機器や調査手法を検討いたします。
海洋資源開発における環境影響調査では、計測機器の海底付近への長期設置や周辺域での採水、採泥など、様々な海洋調査手法をご提案いたします。ご要望に応じて、採取した試料の船上での計測、分析を実施いたします。

採取した海底鉱物試料への最適な試料処理を実施

マンガン団塊、コバルトリッチクラストおよびレアアース泥試料では、任意箇所での切断や薄片製作、切断面の観察・画像撮影、サブサンプリングなどの処理を船上で実施いたします。
環境影響調査で得られた試料は、適切なサンプリング、化学的処理、冷蔵・冷凍保管を施し陸上で物性計測や精密な化学分析をいたします。
陸上へ持ち帰る試料は、パッキングや管理用のラベルを貼付し試料情報などを管理しながら保管いたします。

ご提供できる成果物

海底鉱物資源の採取

船上において、マンガン団塊、コバルトリッチクラストおよびレアアース泥試料や環境影響モニタリングのための試料採取や海洋調査を実施いたします。その他、各種許認可申請、船舶の手配、使用観測機材の選定について対応いたします。

海底鉱物資源試料

採取したマンガン団塊、コバルトリッチクラストおよびレアアース泥試料についてお客様の要望に応じて、船上で適切な試料処理や簡易的な計測を行います。また試料の品質を維持させた状態で陸上に持ち帰り、適切に試料を提供いたします。

各種計測や化学分析データ

採取したマンガン団塊、コバルトリッチクラストおよびレアアース泥試料は、船上と陸上において、資源量評価のための各種物性計測や有用金属の含有量を求める化学分析を行います。

保守管理サービス

試料の品質を維持するため、採泥器や観測機材等の不具合箇所有無の確認や定期的な部品交換などの保守管理を行っています。ご要望に応じて、器具や機器の改善・修繕やカスタマイズなどにも対応いたします。

海底鉱物資源調査 底質調査 「みらい」 協力:JAMSTEC

海底鉱物資源探査、試料採取

「みらい」 協力:JAMSTEC

マンガン団塊、コバルトリッチクラストおよびレアアース泥の賦存量を評価するに際し、どのような鉱物が、どの場所に、どのくらいの量で存在しているかを明らかにすることが重要です。
広範囲の地形調査や映像撮影、地質構造探査等を実施して有望海域を選定し、ROV(遠隔操作型無人潜水機)、グラブ採泥器およびピストンコアラー採泥器等で目的試料を採取し、有用金属の含有量がどの程度か、測定や化学分析を行うことで明らかにします。当社では、これら海底鉱物資源の探査を目的とする底質調査ならびに鉱物試料採取のサービスを提供いたします。

「みらい」 協力:JAMSTEC

海底鉱物資源調査 底質分析 「かいれい」 協力:JAMSTEC

試料の物性計測、化学分析

高知コア研究所 協力:JAMSTEC

マンガン団塊、コバルトリッチクラストおよびレアアース泥の賦存量評価やこれらの生成過程の解明に、調査で得られた試料の物性計測や元素組成、有用金属の含有量の化学分析を行います。
当社では採取した試料から分析のためのサブサンプリングや前処理、薄片製作、試料の非破壊計測、物性計測、元素組成分析、微量元素分析、同位体比分析のサービスを提供いたします。

高知コア研究所 協力:JAMSTEC

海底鉱物資源調査 環境影響調査 「みらい」 協力:JAMSTEC

海底鉱物資源の持続的な開発のために

海底にあるマンガン団塊、コバルトリッチクラストおよびレアアース泥の開発を進めるに際して、採鉱や揚鉱による海底周辺環境への影響の有無を調査します。
例えば、周辺海域の海水採取とその分析、海底付近の画像撮影、中長期的に海底付近のモニタリングが可能な観測ブイの設置や回収など、当社の豊富な海洋調査のノウハウを活用して、該当海域でのモニタリング調査を実施いたします。

海底鉱物資源探査に係わるコンサルティング

マンガン団塊(マンガンノジュール)、コバルトリッチクラスト、レアアース泥は学術調査だけでなく、新たな資源として注目が集まり各国の利権確保の動きも活発化されています。
日本においては広大な排他的経済水域を持つことから、海洋資源国家としての道を模索しています。当社では長年にわたり国内外の様々な船舶を用いた海洋調査および海洋底探査に係わり、そこで培った技術や実績に基づき、大深度に分布するマンガン団塊、コバルトリッチクラストおよびレアアース泥の賦存量調査や環境影響モニタリングに関するあらゆるご要望にお応えすることができます。
また、大深度でも使用可能な水中カメラやライトの販売や、大型の柱状採泥器の製作も承っております。

あてはまる業種

  • 官公庁・自治体 官公庁・自治体
  • 大学、研究機関 大学、研究機関
  • 金属鉱業 金属鉱業

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