「海を知る」「地球を知る」ブログ

海と地球の科学技術コンサルタント

2025.01.20

底質調査機器シリーズ(その5):柱状採泥器 その2

 今回は、ご好評いただいています柱状採泥器(MW-MCS)についてです。前回の柱状採泥器のブログ掲載より2年経過しましたが、その間に様々なオプション製品をお客様にご提供しましたので、今回紹介させていただきます。

通常の柱状採泥器(内径により2種類をラインナップ)

1.採泥管寸法、穴開け加工
 採泥管の標準サイズは長さ500mmですが、お客様のご要望に従い変更が可能です。
これまでに短いサイズでは300mm、長いサイズでは1000mmの採泥管の製作実績がございます。比較的大型のROV(無人探査機)で使用される場合が多いのですが、沿岸域の浅い場所では、ダイバーの方が潜って、底質を採取されることもあるそうです。また、採泥管の深さ方向に沿って、ご要望のサイズの穴を開ける加工も対応します。お客様によっては、この横穴から試料を採取されるとのことです。

採泥管長1000mmタイプ(左)、採泥管に穴を開けたタイプ(右)

2.湖沼でのボートからの底泥採取
 お客様から湖沼の底泥採取に本製品を使用したい(手漕ぎボート上で扱えるように)と相談いただきました。お客様から地盤調査用に使用されるハンドオーガー(人力のボーリング器)の持ち手と接手を利用したいとのご要望でしたので、当社で詳細設計を行いました。柱状採泥器のヘッド部分をハンドオーガーに直接取り付け可能な接手に加工しております。実際に湖沼での試料採取にご使用いただき、無事に採取できたとご連絡いただいております。

ヘッド部にハンドオーガーのロッドに直接取り付け可能な接手に加工したタイプ

湖沼でのボートによる採泥作業の様子(左)、採取した試料の様子(右)

3.水中ドローンでの使用
 採泥管の内径54mmタイプの柱状採泥器を水中ドローンのロボットアームに持たせるための加工をしています。水中ドローンのロボットアームに柱状採泥器を持たせ、底泥を採取するメリットは、採取場所をカメラ映像で予め確認でき、希望の場所で底泥を採取できることです。一方、砂混じりの底質では柱状型での採取が難しく、グラブ型が適している場合もあります。水中ドローンでの底質採取にご興味がありましたら、ご相談ください。

ロボットアームに柱状採泥器を持たせ(左)、採泥中(中央)採取完了の様子(右)

4.キャッチャー付き柱状採泥器
 柱状採泥器はアクリル製の採泥管を底泥に挿し込み、堆積物等の試料を採取するのですが、底質によっては困難な場合もあります。お客様のご要望で採泥管の先端にキャッチャー付きの金属製ビットを取り付けた製品を製作した実績がございます。砂混じりの底質など挿入困難な場所でより強い力で挿し込む際に効果を発揮し、キャッチャーによって、底質が零れ落ちるのを低減します。

キャッチャー付き柱状採泥器(左)、金属製ビットの様子(右)

 これらオプションの仕様についてご興味ありましたら、ホームページの「問い合わせ」よりご連絡ください。