「海を知る」「地球を知る」ブログ

海と地球の科学技術コンサルタント

2022.03.08

マルチビーム音響測深装置の導入

 当社では、地質調査事業洋上風力事業ならびに水産関連事業への利用を目的にマルチビーム音響測深装置(KONGSBERG EM2040 Portable、以下本装置)を導入いたしました。
 本装置は高精細で面的に海底地形を描くことが可能で、沿岸域から水深500m程度までの海域で調査可能です。装置本体についても比較的小型かつ軽量ですので、様々な小型船舶に容易に取り付けることが可能で、湖沼やダムなどの淡水域での使用も視野に入れております。また、測深だけでなく、海底外検出などのオプションも備わっており、海底の構造物を精細に捉えることも可能です。本装置の主な仕様は以下の通りです。

周波数 200 kHz、300 kHz、400 kHz
最大ピングレート 50 Hz
スワス幅 最大170°
耐水圧(ソナーヘッド) 30 m
ビームパターン 等角度、等距離、高密度、超高密度
1ピング当たりの測深点数 512(シングルスワス)
ビーム幅(400kHz) 1°×1°

 今回本装置を導入することで、地質調査事業については、試料を採取する上で最も重要な採取地点を決めるための地形調査から、地質試料の採取、採取した試料の非破壊検査やサブサンプリングした試料の精密分析の実施まで、より一貫したサービスを提供することが可能となりました。また、洋上風力事業や水産関連事業においても、海底地形の把握はその後の各種調査・計画策定等の事業を推進させるための重要な基礎データとなります。
 今後当社としても本装置を活用した海底地形調査について、様々なご期待に応えられるよう積極的に対応してまいります。

ソナーヘッド部の組立

舷側に取り付けたソナーヘッド部

小型船舶に搭載したマルチビーム音響測深装置

GPSアンテナおよび取り付け治具

海底地形の調査講習