「海を知る」「地球を知る」ブログ

海と地球の科学技術コンサルタント

2021.11.05

カジメの生長観察

 横須賀市長井町漁業協同組合様では、藻場再生のためのカジメ移植をおこなっており、協力している岡部株式会社様がカジメ移植後の経過を観察する機会がありましたので、当社の水中ドローン(BlueRobotics社製BlueROV2PRO)を一緒に潜らせてみました。
 カジメは長い茎部とその先の葉部からなる“はたき”のような形の褐藻の一種で、生長しますと長いもので2mに達することもあります。およそ水深2~10mの岩礁上に密な群落を形成し、カジメ場あるいは海中林などと呼ばれ、アワビ類、サザエ、ウニ類など水産磯根資源をはじめとする多様な動物類の産卵・発育の場として重要な役割を果たしています。
 長井漁港近辺の海底では、カジメのような海藻が群生している場所もあれば、ほぼ海藻が見られない磯焼けした場所もあり、それぞれ数km程度の距離でなぜそのような違いがあらわれるのかも調査の対象となっています。それぞれの場所に移植されたカジメの生長をダイバーが観察し、水中ドローンでその様子を撮影しながら、付近の海底も観察しました。

BlueRobotics社製BlueROV2PRO

水中ドローンのオペレーションの様子

移植したカジメの生育の様子と水中ドローン

ダイブ中の水中ドローン

観察場所付近の海底の様子

海藻の生える岩場の様子(協力 岡部株式会社)